米国での1例目発生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 15:38 UTC 版)
米国のアン・ベネマン農務省長官は2003年12月23日夕刻(日本時間12月24日午前)の記者会見で、ワシントン州で飼育されたホルスタイン種の牛一頭が、検査の結果 BSE に陽性とみられる反応を示したことを明らかにした。また、感染したとみられる牛の脳組織サンプル(検体)をイギリスの研究所ウェイブリッジ中央獣医学研究所に送り再検査による確認を求めた、とも述べた。 問題の牛は1999年に生まれ、ワシントン州西部のヤキマ郡マブトンの大規模酪農場で育ったものとされている。2003年12月9日、食肉処理場に運ばれる際に歩行困難の症状が見られたため、念のため脳組織の検体を12月11日アイオワ州エイムズ市の国立獣医学情報研究所(National Animal Disease Center、国立獣医療研究所とも)に送り、BSE 検査を二回にわたって実施した結果、二回とも陽性の反応を示し、12月22日に発覚したとされる。ベネマン農務省長官は「この牛とともに飼育されていた4,000頭の牛はただちに隔離された」とも述べた。 米国農務省は2003年12月25日(日本時間は12月26日)、緊急記者会見を開き、イギリス(ウェイブリッジ獣医学研究所)は、米国農務省がおこなった第2次検査結果の結果と評価に対して同意していた旨を発表した。そして「米国初のBSEであるという米国農務省の判断は〔同研究所の再確認検査結果で確定されるが〕これが覆ることはまずないであろう」と言明(なお、同研究所にはこの時まだ、サンプルは届いていなかった。サンプルは翌日に到着が確認され、再確認検査が行われたはずである。)これによって BSE の発生は事実上確定と見なされた。
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