等方な速度分布の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/02 20:30 UTC 版)
「ジーンズの定理」の記事における「等方な速度分布の場合」の解説
分布関数が角運動量の大きさ L に依存せずエネルギー E だけの関数 f (E) である場合、分布関数の速度依存性は運動エネルギー v2/2 を通じてのみ生じる。従ってこの場合すべての空間点において速度分布が向きに依存しない等方的な速度分布となる。 特に、分布関数がエネルギー E のべき関数 f ( E ) = F ( − E ) n − 3 / 2 for E < 0 {\displaystyle f(E)=F(-E)^{n-3/2}\ \ {\text{for}}\ E<0} (F は係数) である場合をポリトロープモデルと呼ぶ。このとき重力ポテンシャル Φ と密度 ρ は ρ ( r ) = ( 2 π ) 3 / 2 F n ! Γ ( n − 1 2 ) [ − Φ ( r ) ] n {\displaystyle \rho (r)={\frac {(2\pi )^{3/2}F}{n!}}\Gamma \left(n-{\frac {1}{2}}\right)\left[-\Phi (r)\right]^{n}} という関係で結ばれ、これをジーンズ方程式と比較するとポテンシャル Φ の関数形を決定するレーン=エムデン方程式が得られる。特に n=5 のポリトロープモデルはプラマーモデルに等しい。 同様の考え方で導かれた定常分布として他にハーンキストモデルや等温モデル、キングモデルなどがある。 なお、分布関数 f (E) は、それがエネルギー E の減少関数であるならば、摂動に対して安定である (Antonov の第二法則および Doremus-Feix-Baumann の定理)。
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