第9章と終幕
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 07:40 UTC 版)
ギャングの一団が町に到着し、トム達住民は彼等を丁重に迎える。グレースは解放され、その扱いからとうとう住人達はグレースが何者であるかを知る。グレースは強力なギャングのボスの娘で、彼女は父の汚い仕事を継ぐのを拒否してそこから逃げてきたのだった。ギャングのボスはグレースと車の中で話し、他人が自分と同等の道徳的水準にないと考える(さらに、本来人は自分行為について説明責任がある(accountable)が、グレースが住人に説明の機会も与えず許そうとしていることについて)グレースを傲慢だとした。グレースは最初父親の言うことを聞こうとしなかったが、いったん車を離れ町や住人の様子を見ながら熟考した末、父の考えに同意して「もし住人達が自分自身と同じくらい道徳的だったならば住人達を非難して重い罰を与えなければならないだろう、そうしないのは独善的で偽善的である」と考えた。グレースが町を破壊するこの決断に至ったのは最後にトムと交わした会話による。トムはギャングが町に対して行うことそのものについては恐れているが、自分のやったことに自責の念や後悔はないと言い、トムがグレースを裏切ったことで互いに人間の性質について多くのことを学べたと発言した。 グレースは父の娘としての役割を受け入れ、町を消し去るよう命令する。特にヴェラについては、子供達を先に殺してヴェラに見せるよう指示し、その際「涙を堪えることができたら子供を殺すのを止める」と告げるよう命じた。町は焼き尽くされ、全住人はトムを除きグレースの命令を受けたギャングに殺害される。トムについてはグレースが自ら引き金を引く。最後に町の残骸の中から犬のモーゼスが生きているのが発見された。この犬はドッグヴィルが本性を表したときに姿を見せなかったため、唯一、見逃された。モーゼスの鳴き声が響く中、映画は終了する。
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