竜王(海の皇帝)について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/09/17 12:53 UTC 版)
「竜王と賢女ワシリーサ」の記事における「竜王(海の皇帝)について」の解説
日本語訳では「竜王」や「海の帝王」、「湖の帝王」、「海の王」などもみられる海の皇帝(うみのこうてい。露: Морско́й царь)は、ロシアの民話の登場人物である。彼は海底の主であり、あらゆる水の支配者であり、水中に住む者達の領主であり、無数の宝の所有者である。彼はたいてい、海底の宮殿や女王、水中の人々、水の乙女たちなどを伴い、王として描写される。海の皇帝の宮殿は、水晶、銀、金そしてさまざまな宝石でできているという。その場所は漠然としており、たとえば青い海の中、島の上、イリメニ湖の中だとされる。彼が踊って楽しい時間を過ごす時には、嵐も海で吹き荒れる。彼は、ブィリーナの一つ『サドコ』やロシアの民話だけでなく、ノルウェーの民話にもみることができる。 ブィリーナのサドコの物語では、海の皇帝は商人サドコにまず富をもたらした。そしてサドコが裕福になった時、皇帝はサドコが水中の帝国に来ることを要求した。 サドコの物語に加えて、海の皇帝は前述のとおり『賢女ワシリーサ』でも重要な役割を演じている。この物語では、海の皇帝は、水の帝国の英雄となり自分の娘ワシリーサとの恋に落ちたイワン王子を留めておきたかったが、ワシリーサはイワンと共に父の元を逃げ出し、さらに父の追跡からもイワンを救った。ロシアでの海または水の王に相当する人物が登場する、このよく知られた物語の異版は、ヨーロッパだけでなく東洋の民間伝承でも普遍的にみられる。
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