空調ダクトから噴出した煙と熱気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:45 UTC 版)
「千日デパート火災」の記事における「空調ダクトから噴出した煙と熱気」の解説
火災延焼階である3階と4階、さらには6階と7階を竪穴で垂直につないでいるプレイタウン事務所前の空調ダクト(リターンダクト)吸入口から大量の煙と熱気流が噴出した。千日デパートでは、自主的に空調ダクト内に防火ダンパーを3か所設置していたが、それらはいずれも火災時に作動せず、3階および4階の吸入口から流入した大量の煙と熱気流を噴出させ、プレイタウン内で多くの犠牲者を発生させる一因となった。ダクト吸入口から噴出した煙は、火災初期には秒間1.7立方メートル、中期には秒間最大7立方メートル、総量3トン、2,500立方メートルであった。空調ダクトから噴き出した煙は特に高温であり、摂氏300度から500度に達したと推定された。その影響で事務所前のダクト吸入口すぐ横に7段8列で積み上げられていたビールケース(ポリエチレン製)の山が縦一列と最上段がすべて溶け落ち、収納されていたビール瓶も破裂し溶解するほどの勢いだった。この熱気によってプレイタウン事務所前の廊下は、発火寸前の状態だったことも判明した。プレイタウン各所には、天井付近の下り壁に空調ダクトの吹き出し口が設置されていたが、その部分からも煙が噴出した形跡があり、プレイタウン店内を煙で汚染した要因の一つと考えられている。またトイレの天井に設置されていた吹き出し口からも煙が噴き出した形跡があり、その部分からの煙が開放されていた電気室の外窓へ流れ、エレベーターホールを汚染させる一因になったとの見方もある。#千日デパートビルの空調設備
※この「空調ダクトから噴出した煙と熱気」の解説は、「千日デパート火災」の解説の一部です。
「空調ダクトから噴出した煙と熱気」を含む「千日デパート火災」の記事については、「千日デパート火災」の概要を参照ください。
- 空調ダクトから噴出した煙と熱気のページへのリンク