空積を定義することの妥当性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/25 00:37 UTC 版)
空積の概念は、数 0 や空集合が有用なのと同じ理由で有用である。全く面白くない概念を表しているように見えるが、その存在によって多くの主題のはるかに短い数学的表示が可能になるのである。 例えば、0! = 1 や x0 = 1 といった空積は、テイラー級数表記を短くする(x = 0 のときの議論は0の0乗を参照)。同様に、M が n × n 行列であれば、M0 は n × n 単位行列である。これは線型写像を零回適用することは恒等写像を適用することと同じ効果を持っているという事実を反映している。 別の例として、算術の基本定理は、すべての正の整数は素数の積として一意的に書けることを言っている。しかしながら、もし 0 個や 1 個の因子の積を許さなかったら、定理(と証明)は長くなる。 数学で空積を使用しているさらなる例は、二項定理(これは任意の x に対して x0 = 1 であることを仮定し、かつそれを導く)、スターリング数、ケーニッヒの定理、二項型多項式列、二項級数、有限差分、ポッホハマー記号において見つかるだろう。
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