禊祓と三貴子の誕生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/13 15:05 UTC 版)
伊邪那岐命は黄泉の穢れから身を清めるために、竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘の小門(をど)の阿波岐原(あはきはら;現在の宮崎県宮崎市阿波岐原町)で禊を行った。衣を脱ぐと十二神が生まれた。 衝立船戸神(つきたつふなとのかみ、杖から生まれる) 道之長乳歯神(みちのながちはのかみ、帯から生まれる) 時量師神(ときはかしのかみ、袋から生まれる) 和豆良比能宇斯能神(わづらひのうしのかみ、衣から生まれる) 道俣神(ちまたのかみ、袴から生まれる) 飽咋之宇斯能神(あきぐひのうしのかみ、冠から生まれる) 奥疎神(おきざかるのかみ、左手の腕輪から生まれる) 奥津那芸佐毘古神(おくつなぎさびこのかみ、同上) 奥津甲斐弁羅神(おきつかひべらのかみ、同上) 辺疎神(へざかるのかみ、右手の腕輪から生まれる) 辺津那芸佐毘古神(へつなぎさびこのかみ、同上) 辺津甲斐弁羅神(へつかひべらのかみ、同上) 「上流は流れが速い。下流は流れが弱い」といって、最初に中流に潜って身を清めたとき、二神が生まれた。この二神は黄泉の穢れから生まれた神である。 八十禍津日神(やそまがつひのかみ) 大禍津日神(おほまがつひのかみ) 次に、その禍(まが)を直そうとすると三神が生まれた。 神直毘神(かむなおびのかみ) 大直毘神(おほなおびのかみ) 伊豆能売(いづのめ) 水の底で身を清めると二神が生まれた。 底津綿津見神(そこつわたつみのかみ) 底筒之男神(そこつつのをのかみ) 水の中程で身を清めると二神が生まれた。 中津綿津見神(なかつわたつみのかみ) 中筒之男神(なかつつのをのかみ) 水の表面で身を清めると二神が生まれた。 上津綿津見神(うはつわたつみのかみ) 上筒之男神(うはつつのをのかみ) 底津綿津見神・中津綿津見神・上津綿津見神は、これら三神の子の宇都志日金析命(うつしひかなさくのみこと)の子孫である阿曇連らに信仰されている。底筒之男神・中筒之男神・上筒之男神は墨江(住吉大社)の三柱の大神(住吉三神)である。 「祓戸大神」も参照 左の目を洗うと天照大御神(あまてらすおほみかみ)が生まれた。右の目を洗うと月読命(つくよみのみこと)が生まれた。鼻を洗うと建速須佐之男命(たけはやすさのをのみこと)が生まれた。伊邪那岐命は最後に三柱の貴い子を得たと喜び、天照大御神に首飾りの玉の緒を渡して高天原を委任した。その首飾りの玉を御倉板挙之神(みくらたなのかみ)という。月読命には夜の食国(をすくに)を、建速須佐之男命には海原を委任した。
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