祭具・祭服
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 16:09 UTC 版)
祭具 神嘉殿の殿内に神座、寝座、御座(天皇の座)が設けられる。これは、新嘗祭当日の午後に掌典長以下が奉仕して用意するものである。 神座…黄端の短畳(たんじょう)。 御座…白端の半畳。 寝座…薄帖(薄い畳)を何枚も重ね敷き、南に坂枕を置き、羽二重袷(はぶたえあわせ)仕立ての御衾(おふすま)が掛けられる。この御衾は、天孫降臨時にニニギノミコトが真床追衾(まとこおふすま)にくるまれていた故事によるものである。その端には女儀用の櫛、檜扇(ひおうぎ)、沓(くつ)などが置かれる。古くは寝座を「第一の神座」と称した。 神座と御座は相対して伊勢神宮の方向(現在は南東。東京奠都以前は南西方向であった)を向いており、寝座は神座・御座の東、殿内のほぼ中央に南北に敷かれる。 祭服 御祭服は、大嘗祭の悠紀殿の儀、主基殿の儀、および新嘗祭の時にのみ天皇が着る。天皇の着る神事の服の中で最も清浄かつ神聖な服装で、純白生織りのままの絹地で製作される。 冠は幘(さく)の冠で、白平絹で巾子に纓を結びつけている。また袍は御斎衣といわれ、普通の仕立と異なり、雨覆(あまおおい)という裂が襴の上にあり、襴は入襴になっていて、ありさきはない。
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