神をまつる神殿としての役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 05:24 UTC 版)
「マチュ・ピチュ」の記事における「神をまつる神殿としての役割」の解説
なぜこのような急峻な山の上に造ったかという質問に対して、ラファイエット単科大学のナイルズ(Dr.Niles of Lafayette College)は、「パチャクチがこの場所を選んだのは……圧倒する景色としか答えようがありません」と言う。 イェール大学の近年の研究成果では、高地であり、かつ両側が切り立った崖上になっているため、太陽観測に最も適し、かつ宗教的理念として、太陽に近いところである、という点が場所選定の理由として挙げられている。 急斜面に位置したマチュピチュの頂上には、太陽の神殿があり、頂上にはインティワタナ(Intihuatana、太陽をつなぎ止める石)が設置されている。夏至と冬至が正確に分かる窓があるなど、太陽を使った暦を観測、作成したとも言われている。 インカの神は日本やエジプトと同じく太陽神であるため、太陽により近い山の頂(いただき)は儀礼場として適当だった。神殿の畑など耕作地で栽培された農作物は神への供物として栽培されていたか、神が人間に下賜されたものとして人々に食べられたか、いずれにしても宗教儀礼的意味が色濃く反映されている。そのようないきさつから、現在、マチュピチュは宗教都市として捉えられている。 なおインカの人々にとっての神は、太陽とともに月も挙げられ、多くの遺跡には太陽神殿と月の神殿が対で祭られている。マチュ・ピチュの太陽神殿に対しては、ワイナ・ピチュ(「若い峰」という意味で、マチュ・ピチュの背後にある尖った山)の裏手に、月の神殿が洞窟に作られている。 マチュピチュ遺跡内にはインカのシンボルでもあるコンドルの神殿がありワイナ・ピチュ側からマチュピチュ遺跡を見下ろすとコンドルの形に見える。
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