相矢倉模様からの陽動振り飛車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 23:24 UTC 版)
「陽動振り飛車」の記事における「相矢倉模様からの陽動振り飛車」の解説
△持ち駒 なし ▲持ち駒 なし第1-a図 △3二飛まで △持ち駒 なし ▲持ち駒 なし第1-b 図 △3五歩まで 第1-a図、第1-b図のように5手目▲7七銀に対して△3二飛や△3五歩と三間飛車に持っていく指し方が主流。相矢倉模様ならば他の相居飛車将棋と違い先手は飛車先を早くに突いてこないので、石田流本組にしやすくなる。▲7七銀をみて飛車を振るのは、▲6六歩よりも穴熊に組みにくくなる意味もあり、角交換型振り飛車が主流になる前にはしばしば居飛車穴熊対策に活用されていた。谷川浩司が以前全日本プロトーナメント決勝第3局で相手の田中寅彦に対し▲7七銀に△3二飛や△3五歩でなく△4二銀~5四歩~5三銀から飛車を振ったのは、田中の得意とする穴熊と飛車先不突矢倉の両方をけん制しての手段であった。 矢倉模様で5手目▲6六歩には、△6四歩から右四間飛車を見せ、先手に右四間に備えさせる(その布陣は右四間飛車を参照)指し方もある。初手から▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲6六歩△6二銀▲5六歩に△6四歩から右四問飛車を見せて、▲7八金を強要してから飛車を振るという指し方もある。右四間対策の陣形は対振り飛車には適さないので、そこを突いている。5手目▲7七銀では右四間飛車が通用せず、先手に右四間対策の陣形も強要出来ず、対▲7七銀ではいつでも▲6八銀と急戦に用いられる筋が残る。 矢倉の出だしと見せかけて、突如振り飛車に変化する戦法については、中飛車に振ると通常の矢倉中飛車となんら変わらないため、△2二飛と振るか、序盤の出だし、△4三銀型や△5三銀型にしておれば三間飛車も四間飛車も考えられる。 先手▲7七銀-7八金を決めさせてから振れば、先手は玉を固めにくく、急戦を選びにくいが、後手も△8四歩や△6三銀などの形を決めている布陣からでは、双方駒組みに気を使うことになる。居飛車と振り飛車両方を指しこなせる人でないと指せないが、名人戦にも登場したことのある有力な作戦である。
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