百科事典の発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 05:50 UTC 版)
百科全書の刊行後、これに刺激を受けて各国で百科事典が刊行されるようになった。1768年にはスコットランドのエディンバラにおいて「ブリタニカ百科事典」の刊行が開始され、1796年にはドイツのライプツィヒでブロックハウス百科事典が刊行を開始した。1829年にはフィラデルフィアでアメリカ大百科事典の刊行が始まるなど、19世紀中はアメリカ、イギリス、フランス、オランダ、ドイツなどで百科事典の刊行が行われるようになった。こうした百科事典の編纂はしばしば強力な個性を持つ編纂者によって推進された。たとえばフランスにおいては、ピエール・ラルースが1863年から1876年にかけて「19世紀大百科事典」を刊行したが、これはほぼ自らの一生をかけたものであり、ラルース自身は刊行が完了する前の1875年に死亡した。この19世紀百科事典は彼の名を取ってラルースと呼ばれるようになり、以後もこのラルース大百科事典は大規模な百科事典の一つとして長く存続している。 20世紀に入るとさらにそれまで百科事典の刊行されていなかったスペインや日本、イタリアなどの新興国や中小国でもさかんに百科事典の刊行が開始されるようになった。この時期に各国で競って百科事典が刊行されたのは、知の集大成たる百科事典を自国で刊行することによって国威を発揚するといった、国家間の競争の意味合いが存在した。
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