発見の様子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 14:05 UTC 版)
1950年5月6日、デンマークのシルケボーから西12キロメートル、ビェルスコウ渓谷のピート・ボグで、トーロンの小さな村から来たヴィゴとエミルのヘイゴー兄弟が、ストーブ用にピートを切りだしていた。働いているうちに、ピートを運搬車に積みこむのを手伝っていた彼らの妻の1人が、泥炭層に遺体が埋まっているのに気づいた。その顔があまりに新しく見えたため、彼らはこの遺体が最近の殺人事件の被害者だと思い、かなり逡巡したのちにシルケボーの警察に届け出た。警察はこの遺体に困惑し、死亡時期を推定するために、考古学教授のペータ・ヴィルヘルム・グロブを招へいした。最初の検査の段階でグロブは、この遺体が2,000年以上昔のもので、生贄にされたものだろうと推測した。 トーロンマンは堅い地面から50メートルほど離れた泥炭地、深さおよそ2メートル未満の地点に、胎児のような姿勢で埋まっていた。とがった革のキャップが、革ひもであごの下にくくりつけられていた。腰周りには、滑らかな革のベルトを着けていた。その上、死体の首の周りには絞首の紐がきつく巻きついて、背中の下の方まで垂れ下がっていた。それ以外には、遺体は何も身につけていなかった。髪は短く刈り込まれており、キャップでほとんど隠れていた。1ミリメートルほどの長さの無精ひげが、あごと上唇に生えており、死の当日に彼がひげを剃らなかったことを示唆している。
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