発がん性の議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/26 09:46 UTC 版)
「パルミチン酸レチノール」の記事における「発がん性の議論」の解説
1987年に米国の専門員会による安全性評価では、レチノールとパルミチン酸レチノールは化粧品成分として安全だとした。 2010年ごろ、動物実験で高用量のパルミチン酸レチノールによって癌化が促されたと、Environmental Working Group(英語版) (EWG) と米国上院議員チャック・シューマーが注意を呼び掛け、大衆紙が日焼け止めの是非の議論に火を注いだ。毒性分析では、日焼け止め中のパルミチン酸レチノールが発がん性であることを裏付ける証拠はなかったとした EWGはこの知見には不備があると反論した。その後、米国国家毒性プログラムの技術報告書は、アジピン酸ジイソプロピルがマウスの皮膚の腫瘍の発生率を上げ、レチノイン酸やパルミチン酸レチノールはその比率を上昇させたとした。パルミチン酸レチノールの0.1%と0.5%クリームを用い、0.5%でのみ悪性腫瘍の増加が見られたもので、マウスはヒトより表皮が薄く皮膚がんを発症する傾向が強いことが知られており、ヒトへとそのまま適応するには注意が必要となる。専門委員会は2012年の米国国歌毒性プログラムの光発がん性試験を厳格に調査し、手法的な欠陥があると指摘したため、追加の試験が行われる可能性がある。 ヒトでは、様々なレチノイドの内服薬が皮膚がんのリスクの高い皮膚疾患の癌化を予防しており、また内服薬とレチノイド外用薬が広く使われているが皮膚がんのリスクを高めたということは報告されていない。
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