異教徒に説かれる場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 14:29 UTC 版)
仏教が未だ説かれていないか、異教徒の多い土地でゾクチェンを説く際には、初めは仏教徒以外を対象とするため「方便のゾクチェン」が説かれる。まずは仏教的な講話とともに、主にターラー仏母や観音等の柔和尊の「結縁灌頂」を授け、死後に生まれ変わって仏教の説かれた土地に生まれることができるようにする。また、これを機会に仏教に改宗したとしても環境が整わないので、本人のために「方便のゾクチェン」を授ける。その内容は、ゾクチェンの教義に関する話や、ゾクチェンの境地がいかに素晴しいものであるかの説法と、ゾクチェンの入門段階から奥義にも通じる瞑想である「阿字観」の初歩のバリエーションや、密教の諸尊の供養法、死後に迷わずに人間に生まれるように「シト」(zhi khro)のマントラ(真言)や護符、声明(しょうみょう)を授ける。伝統的な観点からは、正式な仏教の教えを受けるための前段階に当たるので「方便のゾクチェン」と呼ばれる。
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