産地表示問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 04:58 UTC 版)
1983年4月から産地表示が規制されていた。2002年7月に大手の販売業者3社が長崎県産の素麺を『三輪素麺』として販売していたとして、農水省の立入検査と改善の指導を受けている。長崎県産の素麺の市場価格が三輪と比較してずっと安価であったため、三輪素麺の安定供給のために常習的に使用していた。2002年奈良県内の生産量は18キロ入りで約15万箱との推定だが、実際に「三輪素麺」を表示しての流通品は、60-80万箱もあった。県外産を使い、14業者が協同組合を自主脱退や除名された。2002年8月、奈良県が産地表示問題で調査したところ、解消していたと発表した。 対処 三輪に本社を置く各企業が作る素麺と、生産者の団体「奈良県三輪素麺工業協同組合」が取り仕切る素麺の2つがある。長崎県産を仕入れながら「三輪」の表示を使用していた大手素麺業者に対し、工業協同組合は三輪で作られたものでしか「三輪素麺」と呼べないとし、鳥居のマークをその依りどころとして、農水省「手延べそうめん」品質表示基準より厳密な組合自主基準で、組合員の製造した素麺のみ、品質保証の証に鳥居印の帯紙と、鳥居マークのラベルを貼付していると表明している。また組合として各企業に工業組合員生産の素麺を仕入れるように依頼している。そして各メーカーは自社で作る三輪素麺とともに、組合を通した素麺も販売している。メーカーのうち、池利は奈良県内生産の確立を表明し桜井市大泉に年産5万箱の大型工場を1982年10月に完成させた。9社も奈良県内生産をした。他社では、奈良県内での生産ではない場合、三輪素麺とは表示せず「三輪そうめん山本」などを筆頭に自社ブランドで販売した。だが、揖保乃糸の兵庫県手延素麺協同組合は、「三輪そうめん山本」の自社ブランドは社名に「三輪そうめん」が入っていると問題視し、自社ブランドでも産地表示の義務づけを農林水産省に働きかけ、その後「三輪山本」に社名とブランド名が変更された。
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