生物学的前提条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 13:44 UTC 版)
「ロジスティック方程式」の記事における「生物学的前提条件」の解説
実際の生物の個体数増殖においてロジスティック方程式が成り立ち、ロジスティック曲線がその増殖データに上手く当てはまるには、次のような生物学的条件が前提として挙げられる。 環境内には単一の種か、あるいは同等とみなせる種のみが存在する。 対象の生物の各世代(親子)は連続的に重なっている。すなわち、連続的に子が生まれ、親と子が共存する期間が存在する。 個体は一定の大きさの環境内に常に存在する。すなわち、環境から移出したり、外部から移入が無い。(用語としては閉じた個体群とも呼ばれる) 環境の大きさは変わらず、一定状態が保たれる。 個体群のために、食糧や資源が一定して供給される。 ショウジョウバエや真正細菌といった、微生物や単純な生物を一定環境で増殖させた場合は、上記の条件に近く、ロジスティック方程式によって個体数変化の正確な予測ができる。しかし、例えば鹿や鳥類などのような、一定環境のもとで増殖する設定が成立しない個体群成長には、ロジスティック方程式を適用することはできない。 環境を整えた飼育実験によって、ロジスティック曲線に当てはまる個体数増殖のデータを得ることはできるが、上記の生物学的条件を実験上で整えることはいつも簡単というわけではない。増殖を抑える原因となる老廃物を定期的に取り除く、といった配慮も必要となる。
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