生体での生成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 18:17 UTC 版)
哺乳類の大腸やルーメンでは細菌が食物の中のセルロースやヘミセルロースを嫌気発酵し、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸を生成しており、これが草食性動物の体内では重要なエネルギー源となっている。ウシなどの反芻動物は、第1胃で行われる糖質の発酵によって大量のプロピオン酸を生産する。反芻動物の場合は、セルロースを分解するバクテリアが胃の中で糖を揮発性脂肪酸にしてしまうのでプロピオン酸からのビタミンB12を利用した糖新生は特に重要な代謝である。プロピオン酸生産菌(プロピオニバクテリウム属など)はビタミンB12を生産する主要な菌であり、草食動物は腸内細菌としてこれらの菌からビタミンB12を摂取している。後述するようにビタミンB12は、プロピオン酸の代謝に必要不可欠な補酵素の1つである。 炭素数が奇数の脂肪酸はβ酸化により反応が進み、2個ずつの炭素がアセチルCoAとして生成し、最後に炭素数3個のプロピオニルCoAを生じる。プロピオニルCoAは、プロピオン酸とCoAが結び付いたもので加水分解するとプロピオン酸が生じる。 イソロイシン、メチオニン、バリンは、アミノ酸の代謝分解によりプロピオニルCoAを生じる。
※この「生体での生成」の解説は、「プロピオン酸」の解説の一部です。
「生体での生成」を含む「プロピオン酸」の記事については、「プロピオン酸」の概要を参照ください。
- 生体での生成のページへのリンク