琉球方言の分岐
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 22:29 UTC 版)
琉球方言にみられるハ行P音や仮定形・已然形の区別などの言語特徴は、奈良時代以前の日本語の姿を残すものである。一方で、本土方言と琉球方言の類似の程度から言って、両者が分岐した時期が弥生時代よりはるか前とも考えられない。服部四郎は二言語間の共通の語彙を比較する言語年代学の手法を使って、京都方言と首里方言の分岐年代について(1950年ごろから計算して)1450〜1700年前という計算結果を示している。一方でこの計算結果は可能性の最下限を示すものだとして、実際の分岐年代は1500〜2000年前だったと推定している。服部は、約2000年前以降、北九州から近畿への住民移動によって九州・琉球方言と近畿方言の分岐が起こり、九州において少なくとも2、3世紀は九州・琉球祖語が話されていて、その後、九州から南西諸島への住民移動が起こって琉球方言の母体となる言語が南西諸島にもたらされたと推定している。
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