現在の測定方法の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 07:32 UTC 版)
現在では、熱の仕事当量を求めること自体が研究の対象になることはないが、高等学校や大学での実験教材として行われることはある。歴史的に見ると、力学的な仕事と熱量との変換を調べるのが本筋であるが、それは実験的に難しいため、電気的なエネルギーを熱に変換することで仕事当量を求めることが多い。 具体的には、水の入った容器に電熱線と温度計を入れ、容器を熱伝導率の悪い物質で覆う。そして電流を流し、そのときの水の温度上昇から熱の仕事当量を求める。 水の質量を X、容器の熱容量を Y、温度上昇を ΔT とすると、発生した熱量は ( X + Y ) Δ T {\displaystyle (X+Y)\Delta T} [cal]である。したがって、単位をcalからJに変えると、熱量Q[J]は、 Q = J ( X + Y ) Δ T {\displaystyle Q=J(X+Y)\Delta T} (1) で求められる。 次に水の量を X から X' に変えて同じ実験を行うと、発生した熱量 Q' は、 Q ′ = J ( X ′ + Y ) Δ T ′ {\displaystyle Q^{\prime }=J(X^{\prime }+Y)\Delta T^{\prime }} (2) となる。 (1)(2)から Y を消去すれば、 J = 1 X − X ′ ( Q Δ T − Q ′ Δ T ′ ) {\displaystyle J={\frac {1}{X-X^{\prime }}}\left({\frac {Q}{\Delta T}}-{\frac {Q^{\prime }}{\Delta T^{\prime }}}\right)} が得られる。ジュールの法則により、Q = VIt なので、電流値、電圧値、電流を流した時間が分かれば、J が求められる。
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