王宮の花火の音楽とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 音楽作品 > 楽曲 > 管弦楽曲 > 王宮の花火の音楽の意味・解説 

おうきゅうのはなびのおんがく〔ワウキユウのはなびのオンガク〕【王宮の花火の音楽】

読み方:おうきゅうのはなびのおんがく

原題Royal Fireworks Musicヘンデル管弦楽組曲。全5楽章1749年初演オーストリア継承戦争終結際するアーヘンの和約祝賀行事のための作品


王宮の花火の音楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/21 04:29 UTC 版)

アーヘンの和約を祝賀する1749年の花火大会

王宮の花火の音楽』(おうきゅうのはなびのおんがく、英語: Music for the Royal Fireworks)は、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが作曲した組曲HWV 351

作曲の経緯

1748年オーストリア継承戦争終結のために開かれたアーヘンの和議を祝う祝典のための花火大会の音楽として作曲された。1749年4月21日にロンドンヴォクソール・ガーデンズで公開リハーサルが行われたが、未曾有の1万2000人の観客を集め、ロンドン橋で交通渋滞を引き起こした[1]。このときは軍楽隊の編成で、序曲はオーボエ24、ファゴット12、コントラファゴット1、ホルン9、トランペット9、ティンパニ3対という構成だった[2]

本番は1週間後の4月28日にロンドンのグリーン・パーク英語版で催された。祝典は盛大なものだったが、花火がうまく点火せず、さらにパビリオンのひとつが焼け落ちるなどの失敗に終わった[1]

ヘンデルは1か月後の5月27日の孤児養育院での慈善演奏会でも『王宮の花火の音楽』を上演した。このときは軍楽隊でなく管弦楽版で上演された[2]

構成

5つの楽曲からなる。

序曲は祝典曲にふさわしく華麗で、後に舞曲(軽快な「ブレー」とゆったりした「メヌエット I&II」)が配置されており、変化が楽しめる。自作の再使用も見られるが、これは当時は普通に行われていることである。

序曲の旋律は、1737年に初演されたが失敗に終わったオペラ『ベレニーチェ』の第3幕の前奏曲(シンフォニア)を再利用している[3]

楽器編成

初演では、当時のイギリス国王ジョージ2世の意向により、勇壮な響きを出すため管楽器打楽器のみが使われたが、ヘンデル自身は弦楽器を使うことを強く主張したので、現在ではその版も広く演奏されている。

1962年発行のBärenreiterのスコアや、1886年発行のDeutsche Händelgesellschaftのスコアでは、下記の楽器群が指定されている。

  • 第1オーボエ 12本 (※第1ヴァイオリン)
  • 第2オーボエ 8本 (※第2ヴァイオリン)
  • 第3オーボエ 4本 (※ヴィオラ)
  • 第1ホルン 3本
  • 第2ホルン 3本
  • 第3ホルン 3本
  • 第1トランペット 3本
  • 第2トランペット 3本
  • 第3トランペット 3本
  • ティンパニ 3セット
  • 第1ファゴット 8本 (※チェロとコントラバスのトゥッティ)
  • 第2ファゴット 4本 (※追加でコントラファゴット1本)

脚注

  1. ^ a b クリストファー・ホグウッド 著、三澤寿喜 訳『ヘンデル』東京書籍、1991年、378-384頁。ISBN 4487760798 
  2. ^ a b 三澤寿喜『ヘンデル』音楽之友社、2007年、222-223頁。 ISBN 9784276221710 
  3. ^ Claire Seymour (2016-03-21), Handel’s Berenice, London, Opera Today, http://www.operatoday.com/content/2016/03/handels_berenic.php 

関連項目

  • 水上の音楽 - 『王宮の花火の音楽』のメヌエットIIと『水上の音楽』のメヌエットはよく似ているし、「アラ・ホーンパイプ」は『王宮の花火の音楽』の序曲に引用されている。

外部リンク




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「王宮の花火の音楽」の関連用語

王宮の花火の音楽のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



王宮の花火の音楽のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの王宮の花火の音楽 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS