犬張り子(いぬはりこ)について
昔は生活の貧困や医療の未発達からくる、難産や死産または生後まもない乳児を亡くすことが少なくありませんでした。そのため、神にすがってでも安産・子宝を願う気持ちから安産・子宝・子育ての信仰が芽生えてきたようです。
犬は出産が軽く多産である上に子育ても上手なことにあやかって、神社に詣でて「子宝・安産」を祈願し、妊娠五ヵ月目の戌の日に付ける「腹帯(岩田帯)」を受けたり、産室や寝室に犬の張り子とでんでん太鼓をおいておくなどの習わしがありました。
現在でも、腹帯は医学的にも合致しているということから一般的に用いられ、犬張り子やでんでん太鼓はデザイン化されて、出産祝いの祝い返しの掛け紙の図案に使用されるなど、時代に合った形で受け継がれています。
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