特殊関数の記法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 22:01 UTC 版)
多くの場合、特殊関数には標準的記法があり、関数の名前、添え字(もしあれば)、括弧開き、引数列(コンマで区切る)、括弧閉じの順に記述する。このような記法を使うことで解釈が容易になり、曖昧さを排除できる。国際的に記法が確立している関数としては、sin、cos、exp、erf、erfc などがある。 場合によっては1つの特殊関数が複数の名前を持つこともある。自然対数には Log、log、ln などの記法があり、文脈によって使い分けられる。例えば正接関数は Tan、tan、tg(ロシア語の書籍に多い、例えばロシア語版wikipediaにある三角関数の記事を参照)などの記法がある。逆正接関数は atan、arctg、tan−1 などの記法がある。ベッセル関数は Jn(x) と記されることが多いが、besselj(n,x) や BesselJ[n,x] も同じ関数を意味している。 引数を示すのに添え字がよく使われる(整数が多い。例えば直交多項式、ベッセル関数など)。まれにセミコロン (;) やバックスラッシュ (\) を分離文字として使うこともある。このような場合、論理的に解釈する際に曖昧さが生じ、混乱することがある。 肩文字はべき乗を示すだけでなく、関数の修飾を意味することがある。例えば、次のような例がある。 cos3(x) は (cos(x))3 を意味する。 cos2(x) は (cos(x))2 を意味するのが普通で、cos(cos(x)) と解釈することは滅多にない。 cos−1(x) は arccos(x) を意味するのが普通で、(cos(x))−1 という意味ではない。この例は上の2つの例とは異なるため、ここで混乱することが多い。
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