特定の微生物の計数法として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/28 05:22 UTC 版)
「希釈平板法」の記事における「特定の微生物の計数法として」の解説
上記のような問題点は対象が既知の微生物の場合には大幅に緩和される。その性質がよく知られているものが対象の場合は、その生物を培養するのに適した培地を利用できるし、その生物が生育する環境を用意することも出来る。場合によってはその生物の繁殖を邪魔する生物を抑えることでその出現を容易にすることも可能である。 例えば大腸菌は水質汚濁や汚染の指標生物とされており、様々な場合にその密度を測定することが求められている。そのような場合には多くこの方法が用いられてきた。例えば『下水の水質の検定方法等に関する省令』では大腸菌群数を測定する方法として試料10 mLに生理的食塩水90 mLを加えて希釈(10倍希釈)し、その希釈液から更に100倍希釈液を作り、1 mLずつをシャーレにとり、デソキシコレート寒天培地で重層平板として培養することが定められている。ちなみに上記培地では大腸菌のコロニーが赤く染まるので簡易的に肉眼でも判別できる。 なお、現在では大腸菌計数法としてはMPN法といって液体培地を加えた試験管に試料を細分して入れ、大腸菌が存在すればその発酵作用によって発生するガスを検知する方法が開発されており、そちらが広く行われている。しかしこれには一定以上の資材や設備を必要とするため、上記の希釈平板法も用いられ、また改良した培地も作られている。
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