熱帯用野戦帽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 05:01 UTC 版)
1958年から陸軍は新型戦闘帽の模索を始め、1962年には熱帯用野戦帽(Cap, Field (Hot Weather))が採用された。この帽子はパトロールキャップのデザインを踏襲せず、より野球帽に近い形状をしていた。「熱帯用」は防寒用帽垂布が無いことを意味しており、実際には全天候対応の戦闘帽として用いることが想定されていた。しかし、ベトナム戦争に従軍した兵士からは極めて不評であった。熱帯用野戦帽で採用されたポリエステルおよびレーヨンの布地は熱帯地域で着用する場合は熱がこもりやすかったほか、前頭部が補強され高くなった伝統的な野球帽のスタイルが兵士たちから嫌われていたのである。このため、現地では前頭部の補強を潰すなどの改造を加えたり、代替品を購入する者も少なくなかった。ベトナム戦争末期には天ボタンが廃止された改良型の支給が始まっている。熱帯用野戦帽は1985年まで使用された。 ベトナム戦争の際にはブーニーハット(英語版)も代替品として好まれたが、軍人らしくない帽子だと嫌う将校も多かった。なお、後年になってからDCU戦闘服(英語版)の一部としてブーニーハット型の野戦帽が採用され、湾岸戦争を通じて広く使用されている。
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