煉獄の霊魂のための祈り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 01:35 UTC 版)
上述したような根拠・経緯から、信者は、煉獄の霊魂のために祈り、死者のための施しや免償、償いのわざを行うように勧められており、それによって煉獄の霊魂(清めの状態にある死者)は救われると教会は教えている。 このように教えるのは、煉獄の霊魂は、既に人生を終えており時間という自由な機会を失っているため、自分の力では脱出することも、苦しみを緩和することもできず、まだ時間という功徳を積む機会を持っている現世の人に依り頼むしかない、とするからである。ただし、煉獄の霊魂は、神を心から愛していて、天国にいずれ達することが確実であるため、その苦しみは大きいが、心の平安と喜びを乱すものではなく、また「苦しむ教会」の一員として、煉獄の霊魂は、地上の人のために、神に願いをとり継ぐことができる、とされる。そのため、地上の信者は煉獄の霊魂に、祈り、取り次ぎを願うよう勧められている。なお、殉教者は煉獄を経ないで直接天国へ行くと考えられ、また洗礼・ゆるしの秘跡・罪の償い・善行は、煉獄での償いを減免すると教える。 こうした経緯から、カトリック教会では、聖人以外の少なからぬ善人が天国ではなく煉獄に行ったと教え、そうした教理に基づく、多数の幻視、私的啓示が伝統的に存在してきた。例えば、ファティマの聖母を視た福者ジャシンタ・マルトらは、聖母から「友達のアメリアは世の終わりまで煉獄にいると告げられた」としている。
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