無額嚢節 Aschiza
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 04:11 UTC 版)
成虫が囲蛹(いよう)や土中から脱出するのに使われる嚢状器官である額嚢(後述)を欠き、その点で原始的形質を保持しているとされる。 ヤリバエ上科 Lonchopteroidea 代表的なものにノミバエ科 Phoridae があり、様々な環境や生活型に進出して繁栄している。ノミバエ科の幼虫は腐敗した動物質や下水道浄化槽の汚泥に発生してしばしば衛生害虫になるもの、キノコを食べるもの、狩蜂の巣に寄生するものなどが知られている。サトイモ科テンナンショウ類の送粉者としても重要。また、ノミバエ科の成虫は特定生物の一種であるヒアリなどの天敵としても有名。 ハナアブ上科 Syrphoidea ここに属するハナアブ科 Syrphidae は有弁翅亜節に並んで大型種が多い。また種の多様性が高く美麗種も多いので、日本でもプロの研究者のみならず、これに注目して調査、研究を進めているアマチュア研究家が増加しつつある。 幼虫の生活型も多様で、有機物に富んだ汚水に生活するもの、樹洞に溜まった水の中で長期間かけて成長するもの、朽ち木中で育つもの、多年生草本の地下部に穿孔し腐敗させて摂食するもの、植物上でアブラムシなどを捕食するもの、アリの巣に寄生するものなどが知られる。 成虫の大半は花に集まり、花蜜や花粉を摂取する。虫媒花の送粉者として重要で、シマハナアブ Eristalis cerealis (Fabricius,1805)では農作物の送粉者として人工増殖法も開発されている。 ハナアブ上科には他にアタマアブ科 Pipunculidae がよく知られ、農業害虫であるウンカ、ヨコバイ類の寄生者として重要である。
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