無天組の将官進級
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 07:19 UTC 版)
一般に、陸大卒業の履歴がないと帝国陸軍において将官に進むのは難しいとされ、無天組の将官は陸士同期の1%程度にとどまる、というのが通説である。 山口宗之は、陸士1期(明治24年3月少尉任官)から、最後の将官(皇族・没後進級者を除く)を出した陸士33期(大正10年10月少尉任官)までの、陸士卒業・少尉任官者の累計・将官の累計(将官の累計は皇族・没後進級者を除く)を調査し、 陸士卒業・少尉任官者 17,574名(100%) うち将官 2,476名(14%) うち陸大卒業の履歴を有さない将官 1,189名(6.8%) うち陸大卒業と同等に扱われる資格を有した将官 66名(0.4%) 無天組将官 1,123名(6.4%) というデータを導いている。 また、陸士1期から陸士29期までにおいて、無天組の中将が181名、大将が1名(陸士2期・鈴木孝雄)出ていることを示している。 山口は 無天組将官の陸士同期に占める比率(6.4%)は、通説(約1%)を遥かに上回る。 無天組で将官に昇るには、金鵄勲章を授与されているか否かが、もっとも影響したと考えられる。 無天組将官が、陸士同期の陸大卒将官を進級で上回った例は少なくない。 と述べ、下記のように結んでいる。 ここにも陸士・陸大の卒業成績にそれほど拘泥しなかった陸軍高級将校の人事考課は一般にいわれるような硬直したものでなかったという事実の一端を見出し得るように思うのである。 — 山口宗之、
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