漆の精製
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 09:07 UTC 版)
あらみには、樹皮やゴミなどが混ざっているので、まず少し加熱して流動性を上げてから濾過をする。現在は、綿を加えた上で、遠心分離器で分離する方法も使われている。濾過が終わったものは生漆(きうるし)と呼ぶ。 生漆の精製は、攪拌して成分を均一にして粒子を細かくする「なやし」と天日などで低温で水分を蒸発させる「くろめ」という2つの工程に分類される。また、これらの工程で用途や品質に合わせて油分や鉄分等の添加剤が加えられて精製漆となる。 精製時に鉄分を加えると、ウルシオールなどとの化学反応で、黒い色を出す事ができ、黒漆(くろうるし)となるが、鉄分を加えないと色の薄い透漆(すきうるし)となる。 精製漆には有油系と無油系の2系統に大きく分類される。一般に有油系は発色・つやが良く加飾や上塗りに用いられる。無油系は研磨(研ぎ出しや蝋色仕上げなど)に向いている。 精製が終わった透漆には、必要に応じて朱色(辰砂)などの顔料を加えて色を付けて使用する。
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