済物とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 産業 > 製造業 > 産物 > 済物の意味・解説 

さい‐もつ【済物】

読み方:さいもつ

荘園制時代みつぎものとして納めた地方産物。せいもつ。なりもの


済物

読み方:サイモツ(saimotsu), セイモツ(seimotsu)

平安鎌倉時代国家領主納めた租税地代


済物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/26 19:50 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

済物(さいもつ/なしもの)とは、平安鎌倉時代諸国国衙が中央の官司に納めた貢納物のこと。諸国にある封戸から封主に納められる貢納物も含まれる。転じて、荘園から納められる年貢を指す場合もあった。

概要

元々、中央への貢納物は数量・品目が国ごとに定められ、『延喜式主計寮式に記されたものは「式数」と呼ばれて、貢納数量・品目の基準とされた。中央に収納された貢納物は大蔵省などの出納官司によって諸官司に必要な分を支給していたが、平安時代中期に出納官司の機能が停止すると、諸官司が必要に応じて済物使を諸国に派遣して直接現地において貢納物を収納するようになった。ところが諸官司の中には済物使を派遣せず京都で国司から責め取り、国司を困らせることもあった。11世紀中期以後、様々な貢納物を諸国がまとめて納付するようになり、それらは「納官封家済物」などと称され、略して「済物」とも称されるようになった。国司から済物の収納が行われるごとに返抄が作られ、完済すると惣返抄が発行され、受領功過定などにおける評価の対象とされた[1]

脚注

  1. ^ ただし、惣返抄に記された数字は延喜式由来の形骸化した数字であり、実際の済物納入とは合致しておらず、実際には官物として徴税された租税が京都にあった諸国の倉庫や受領の邸宅に保管され、朝廷・官司の命令や切下文などに応じた必要分を済物として納入していった(所当官物制)とする指摘もある(中込律子「受領請負制の再検討」(初出:十世紀研究会 編『中世成立期の歴史像』(東京堂書店、1993年)/所収:中込『平安時代の税財政構造と受領』(校倉書房、2013年))

参考文献


「済物」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



済物と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「済物」の関連用語

済物のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



済物のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの済物 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS