清宮博とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 清宮博の意味・解説 

清宮博

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/06 01:54 UTC 版)

清宮 博(せいみや ひろし、1908年8月6日 - 1976年4月27日)は電気工学者[1]実業家。元富士通社長、会長。日本のコンピューターパイオニアの一人[2]。旧姓根岸。

経歴

広島県広島市大手町(現在の同市中区)出身[1]広島高等師範学校附属中学校(現・広島大学附属高校)から第一高等学校をへて東京帝国大学電気工学科卒(1932年[1]逓信省電気試験所第4部に入り、光通信電子管マグネトロン、速度変調管)などの研究を担当[2]1936年、関杜夫とともにグラスファイバー光通信に使うアイデアを発明した[3][4][5]

終戦後の1947年12月23日アメリカベル電話研究所トランジスタが発明され、翌1948年6月30日公表された[6]。このニュースはアメリカでも大きく扱われることはなく、戦後の混乱期であった日本でも、情報はGHQによって統制され、海外の情報を入手するのは非常に困難な状況にあったが、GHQによってこのニュースが電気試験所に持ち込まれ、清宮は渡辺寧、駒形作次ら幹部とその現場に居合わせた[6][7]

1948年電気試験所から電気通信部門が分離され電子管部長に就任、1949年電気通信省電気通信研究所設置で器材実用化部長に就任[1][8]

1955年電電公社理事となるが[1]同年、富士通信機製造(現・富士通)第一技術部長に転出[1]1958年コード会参加。1960年富士電機常務、1971年富士通副社長経て1974年11月、同社社長に就任、1976年会長となった。社長在任時は電算機(計算機)の輸出に力をいれた[9]

主に通信工学の分野で業績を挙げ、電気学会、通信学会の各会員を務める[1]。1970年から1971年まで電子通信学会会長[10]。著書『真空管とその回路』で電気学会著述賞を受賞[1]。他の著書に『最近の真空技術』『応用音響学』などある。

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 『広島県大百科事典〈上巻〉』中国新聞社、1982年、767頁
  2. ^ a b 日本のコンピュータパイオニア 清宮 博
  3. ^ 光通信 - 株式会社 発明通信社 発明コラム
  4. ^ 藤芳誠一, 薗出碩也, 山田雄一, 根本孝「製品開発における競争と協力:日本企業の光ファイバ-開発の分析(共同研究)」『明治大学社会科学研究所紀要』第26巻第1号、明治大学社会科学研究所、1987年10月、107-160頁、ISSN 03895971NAID 120005259028 
  5. ^ 光ファイバーの原理そのものである「光線の全反射を利用する内面を有する光線の導管を通して信号光線を伝送することを特徴とする」特許を申請したが、当時は作る技術が伴わなかった(『週刊朝日』1982年10月8日号113頁)。
  6. ^ a b 村松貞次郎「日本の『創造力』⑪ 近代・現代を開花させた四七〇人」日本放送出版協会、1993年、512頁
  7. ^ 志村資料_14
    藤田秀「我国における半導体研究外史(I) : 1948(昭和23)年夏」『中央学院大学論叢. 一般教育関係』第19巻第1号、1984年7月、161-172頁、ISSN 0286-5726NAID 110001063374 
    『日本のエレクトロニクスの源流-電気試験所神代分室の記録-』
  8. ^ philosophy 武田賞 武田研究奨励賞 武田奨学賞The Takeda Foundation Symposium
  9. ^ 週刊朝日』1975年2月7日号109頁
  10. ^ 「歴代会長一覧」電子情報通信学会

参考文献・ウェブサイト

先代
高羅芳光
富士通社長
1974年 - 1976年
次代
小林大祐
先代
川上正光
電子通信学会会長
1970年 - 1971年
次代
岡村總吾



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「清宮博」の関連用語

清宮博のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



清宮博のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの清宮博 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS