深部静脈血栓症とは? わかりやすく解説

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しんぶじょうみゃく‐けっせんしょう〔シンブジヤウミヤクケツセンシヤウ〕【深部静脈血栓症】

読み方:しんぶじょうみゃくけっせんしょう

体の深部にある静脈血栓ができる症状多く大腿(だいたい)部で起こり初期には血栓発生部の痛み、むくみ、変色などがみられる血栓が肺に流れ込んで肺塞栓起こすと胸痛や呼吸困難伴い死に至ることもある。先天性の異常や外傷などによる血管損傷のほか、長時間同じ体勢をとることによって血流停滞し発症する場合もある。DVTdeep vein thrombosis)。→エコノミークラス症候群


深部静脈血栓症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/06 05:53 UTC 版)

深部静脈血栓症
別称 エコノミークラス症候群[1]
腫脹と発赤を伴う右脚の深部静脈血栓症
概要
診療科 血液学
症状 痛み、 むくみ、発赤、患部の発熱[2]
危険因子 最近の手術、トラウマ、運動不足、肥満喫煙、ホルモン併用避妊薬、妊娠産褥期(さんじょくき)、抗リン脂質抗体症候群、遺伝的条件[2][3]
診断法 超音波検査[2]
鑑別 蜂巣炎セルライト血腫静脈瘤リンパ水腫[4]
合併症 肺塞栓症、血栓後症候群[2][3]
予防 頻繁に歩く、ふくらはぎのエクササイズ、アスピリンの服用、抗凝固薬 (血液希釈薬)、着圧ストッキング、間欠空気圧迫法[5]
使用する医薬品 低分子量ヘパリンワルファリン直接経口抗凝固薬[3][5]
治療 抗凝固療法、着圧ストッキング[2]
頻度 年間1,000人に1人[6]
分類および外部参照情報
Patient UK 深部静脈血栓症

深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう、Deep vein thrombosis、 DVT)は、深部静脈に血栓が形成する疾患であり、最も一般的に脚に発症する[2][注釈 1]

症状は患部の痛み、腫れ、発赤、熱などである[2]。症例の約半数は無症状である[2]。合併症には、剥離した凝血塊が肺に移動することにより肺血栓塞栓症や血栓後症候群になることがありえる[2][3]

リスク要因には、手術後、、外傷、運動不足、肥満喫煙、ホルモンによる避妊、妊娠および出産後、抗リン脂質抗体症候群、特定の遺伝的条件などがあげあれる[3][4]。遺伝的要因にはアンチトロンビンプロテインCプロテインS[要リンク修正]の欠損、さらに第V因子ライデン英語版の変異があげられる[3]。一般的な基礎となるDVTの機序は、血流速度の低下英語版血栓形成傾向英語版の増加、血管壁の損傷など、いくつかの組み合わせによるものである[2]

DVTが疑われる人には、Wellsスコアなどの臨床予測ルールを用いた診察をすることができる[3][4]。DVTの診断の除外を補助するため、またはさらなる検査の必要性を判断するために、 Dダイマーを用いることがある[2]。診断は一般的に血栓が疑わしい患部の静脈の超音波検査によって確認される[2]。DVTと肺塞栓症を併せた疾患は静脈血栓塞栓症(VTE)として知られている[2]

標準的なDVTの治療法は抗凝固療法(血液希釈剤)である[2]。一般的に使用される薬には、低分子量ヘパリンワルファリン、または経口の抗凝固薬がある[3]。段階式着圧ストッキングを着用することにより、血栓後症候群のリスクを減らすことができる場合がある[5]。手術後の予防には、早くからの頻度の歩行、脹脛(ふくらはぎ)の運動、アスピリン、抗凝固剤、段階式着圧ストッキング、間欠的な空気圧迫などがあげられる[5]。DVTの発生率は小児期から老年期にかけて増加し、成人期には、年間約1000人に約1人に影響している[6]。人生でVTEを発症する確率は約5%である[4]

注釈

  1. ^ Thrombosis associated with the abdominal organs (viscera)—such as portal vein thrombosis、renal vein thrombosis、and Budd–Chiari syndrome—are separate diseases excluded from the scope of this definition.

出典

  1. ^ New DVT guidelines: No evidence to support "economy-class syndrome"; oral contraceptives, sitting in a window seat, advanced age, and pregnancy increase DVT risk in long-distance travelers”. American College of Chest Physicians (7 February 2012). 3 June 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。10 February 2012閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n Deep Vein Thrombosis” (英語). NHLBI, NIH. 14 December 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。14 December 2017閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h Deep Venous Thrombosis (DVT)”. Merck Manuals Professional Edition (July 2016). 5 November 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。15 December 2017閲覧。
  4. ^ a b c d Ferri, Fred F. (2017) (英語). Ferri's Clinical Advisor 2018 E-Book: 5 Books in 1. Elsevier Health Sciences. p. 357. ISBN 9780323529570. オリジナルの15 December 2017時点におけるアーカイブ。. https://books.google.ca/books?id=wGclDwAAQBAJ&pg=PA357 
  5. ^ a b c d Deep Venous Thrombosis Prevention – Cardiovascular Disorders – Merck Manuals Professional Edition”. Merck Manuals Professional Edition (July 2016). 18 September 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。15 December 2017閲覧。
  6. ^ a b “Racial differences in venous thromboembolism”. J Thromb Haemost 9 (10): 1877–82. (2011). doi:10.1111/j.1538-7836.2011.04443.x. PMID 21797965. 

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