消費地精製
読み方: しょうひちせいせい
石油消費国が原油を輸入して、自国内の製油所(market refinery)で、精製、製品化することをいう。石油の供給方式にはこのほか、産油国で製品化される現地精製あるいは産油地精製や、産油国と消費国の中間地点で精製される中間地精製がある。消費地精製方式は、第二次世界大戦後、戦前より石油の大輸出国であった米国が、石油輸入国に転じたのを背景にして、1948 年、マーシャル・プランにより、欧州の経済復興と中東地域の潜在原油供給力を結びつけることを目的として導入され、その後各国に普及して、それまでの産油地精製方式に置き換わった。この方式は、(1) 消費国に製油所を建設する方が石油供給のセキュリティが確保できる、(2) 原油の方が大量輸送でき、輸送の効率化・輸送コストの低減が図れる、(3) 国内の製品需要の変動に対し弾力的に対応でき、安定供給ができる、など多くの利点を持つ。わが国では、1950 年 1 月、太平洋岸製油所の操業再開以来、この方式が一貫して石油政策の基本として採用され推進されてきた。1962 年施行の石油業法も消費地精製方式の考え方に基づき、石油供給計画の策定や特定設備の許可などが行われている。したがって、わが国では石油製品の生産比率と需要構成の違いから、不足する製品だけが補完的に輸入されている。 |
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