海の紳士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 14:29 UTC 版)
「ミゲル・グラウ・セミナリオ」の記事における「海の紳士」の解説
イキケの海戦でワスカルがチリ海軍コルベット エスメラルダを撃沈した際、ミゲル・グラウはエスメラルダの生存者を救助するよう命じ、さらにエスメラルダ艦長アルトゥーロ・プラットの未亡人には剣などの遺品とともに手紙を送って哀悼の意を表した。 アントファガスタの港では敵艦マティアス・クージーニョに密かに忍び寄り、砲門を開く前に艦を放棄するよう丁重に申し入れた。マティアス・クージーニョのキャッスルトン艦長が艦を放棄している最中にチリ艦隊旗艦ブランコ・エンカラダとアルミランテ・コクランが現れたため、ミゲルはマティアス・クージーニョを無力化した上でチリ艦隊の包囲網をすり抜けて逃げ去った。これらの振る舞いから、敵であるチリ海軍からエル・カバレロ・デ・ロス・マーレス (海の紳士) と呼ばれるようになった。ミゲルの非常に効率的かつ勇敢な戦闘スタイルに加え、並外れた騎士道精神と紳士的態度が認められた結果であった。 ミゲルは輸送船リマックの拿捕にも決定的な役割を果たした。リマックはガルシア・イ・ガルシア指揮の木造コルベット ウニオンに追われていたが、そこにワスカルが現れて連装砲を発射するとリマックはたちどころに降伏した。リマックに乗船していたチリ陸軍騎兵連隊カラビネロス・デ・ユンガイは、指揮官ともども捕虜となった。これにはチリ政府も大きな衝撃を受け、チリ海軍司令官が責任を取って辞任する事態となった。
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