洗桶 (あらいおけ)
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里芋やニンジンの収穫後、附着した土を洗い流すための器具である。京都市南郊は、古来、京都市に対する重要な野菜供給地で、諸種の野菜を栽培したが、中でも里芋は農家経済の面から重要な野菜として広く栽培された。また、特産の金時ニンジンは江戸期以来、九条周辺を中心に栽培された。生産された多量の里芋やニンジンを洗い桶に入れ、流水の中でかきまぜて土を洗い流すのである。この桶は直径57cm、高さ58cm、重さ9.5kgで、側面に水を通すための30余りの縦に細長い穴があけてある。桶の底は上面よりやや広い。江戸期以来使われたが、この桶と棒の現物は、昭和前期から昭和50年まで使ったものである。その後、産地が移動したので使っていない。 |
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