波形接続型音声合成とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 波形接続型音声合成の意味・解説 

波形接続型音声合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/19 19:52 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

波形接続合成: concatenative synthesis;[脚注 1] あるいは素片接続型、素片連結方式、連結的合成)とは、録音された音の断片(「単位」と呼ばれる)を連結し合成する手法である。単位の長さに厳密な定義はないが、およそ10 ms~1秒程度の範囲である。この手法は音声合成楽音合成で、多数の録音フレーズを集めたデータベース(音声コーパス歌手ライブラリ、楽音コーパス)から、ユーザが指定したフレーズの音を生成するのに使用される。

音声

波形接続合成による音声合成は、「波形接続型音声合成」と表現される事がある。[脚注 2]

歌唱

音楽

音楽のための波形接続合成は、2000年代に特にSchwarz[1]Pachet[2]の研究を通じて開発が始まった(musaicingとも呼ばれる[要検証])。基本技術は音声の場合と同様だが、音声と音楽の性質の違いにより相違がある: たとえば分割は音素音節等の単位ではなく、ノートやイベント等のサブ単位[要説明]で行なう。[1][3][4]

波形接続合成による楽音合成の研究事例については、Schwarzがサーベイ結果を公開している[5]

関連項目

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ この記事は、音声 (人の声) 以外のconcatenate synthesisを主に扱う記事なので、音声限定の訳語「波形接続型音声合成」ではなく、より広いニュアンスを持つ訳語「波形接続合成」を用いる。この分野の開拓者Schwarzのサーベイ結果 Schwarz 2006 によれば、国際的に広く認知された成果はまだ日本からは出現しておらず、日本語による定番訳語は不明である。なお「波形接続合成」という表現は、たとえば下記をはじめとする十数件程度の論文で使用されている:
    “"波形接続合成"の検索結果: 約14件”, Google Scholar, http://scholar.google.co.jp/scholar?q=%22%E6%B3%A2%E5%BD%A2%E6%8E%A5%E7%B6%9A%E5%90%88%E6%88%90%22 2013年2月15日閲覧。 
  2. ^ 「波形接続型音声合成」という表現の初出論文および一般性は定かではないが、たとえば下記をはじめ数十件程度の日本語論文で使用されている:
    "波形接続型音声合成"の検索結果: 約55件”. Google Scholar. 2013年2月15日閲覧。

参考文献

  1. ^ a b Schwarz, Diemo (2004-01-23), Data-Driven Concatenative Sound Synthesis, http://recherche.ircam.fr/equipes/analyse-synthese/schwarz/thesis/ 
  2. ^ Zils, A.; Pachet, F. (2001), “Musical Mosaicing”, Proceedings of the COST G-6 Conference on Digital Audio Effects (DaFx-01), University of Limerick: 39–44, オリジナルの(2002-08-09)時点におけるアーカイブ。, http://recherche.ircam.fr/projects/cuidado/wg/dissemination/acceptedpapers/sony/Dafx01-final.pdf 
  3. ^ Schwarz, D. (2005), “Current research in Concatenative Sound Synthesis”, Proceedings of the International Computer Music Conference (ICMC), http://recherche.ircam.fr/equipes/analyse-synthese/schwarz/publications/icmc2005/Schwarz_ICMC2005_Current-Research.pdf 
  4. ^ Maestre, E.; Ramírez, R.; Kersten, S.; Serra, X. (2009), “Expressive Concatenative Synthesis by Reusing Samples from Real Performance Recordings”, Computer Music Journal 33 (4): 23–42, doi:10.1162/comj.2009.33.4.23, http://www.mitpressjournals.org/doi/pdf/10.1162/comj.2009.33.4.23 
  5. ^ Schwarz, D. (2006), Corpus-Based Sound Synthesis Survey, IMTR, IRCAM, http://imtr.ircam.fr/imtr/Corpus-Based_Sound_Synthesis_Survey 

外部リンク


波形接続型音声合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 00:45 UTC 版)

音声合成」の記事における「波形接続型音声合成」の解説

録音された音声の素片を連結して合成する録音された音声の素片を利用するため、入力テキストに近いものが録音された音声中にあれば肉声近く自然な合成音声になるが、そうでなければ接続部分などで自然性損なことがあるまた、発話速度や声の高さを多少調整することはできるものの、それ以外音声柔軟な加工原理的に困難である。あまり変化激し音声合成技術的に困難であり、そのため話し方ニュートラルなものがほとんどである。 例えば以下のようなものがある。

※この「波形接続型音声合成」の解説は、「音声合成」の解説の一部です。
「波形接続型音声合成」を含む「音声合成」の記事については、「音声合成」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「波形接続型音声合成」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「波形接続型音声合成」の関連用語

波形接続型音声合成のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



波形接続型音声合成のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの波形接続型音声合成 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの音声合成 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS