波兎図鐔
尾張国大野 江戸時代初期 縦74.9ミリ横70ミリ 切羽台厚さ6.2ミリ 鉄地泥障木瓜形肉彫地透 上製落込桐箱入 附 鑑定書(大野) | 上の幅に比して下幅が狭いという、常に見られる形とは異なった逆泥障形とでも言うべきであろうか、この鐔を装着した拵の様式に関しても興味が広がる珍しい造り込み。厚手の肉取りは大野(おおの)らしく武骨な趣を漂わせ、表面に施された槌目地も鉄鐔が持つ素材とその質感を愉しむに好適。意匠化された立浪は波頭がそのまま小柄笄の櫃穴とされて作者の優れた感性が窺え、切羽台の下には腕抜緒の穴が設けられ、実用に即した利器としての側面をも感じとることができる。波に兎とは攻守において迅速なることと飛躍を表わし、武将に好まれた図柄であるが、切羽台上部にちょこんと乗っている兎は、後ろ姿が殊のほか愛らしく、いかなる意味が付加されていたものであろうか、思いも広がる。 |
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