江戸川乱歩賞への挑戦〜単行本デビュー
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「中町信」の記事における「江戸川乱歩賞への挑戦〜単行本デビュー」の解説
1971年、「そして死が訪れる」で第17回江戸川乱歩賞の最終候補作に選ばれる。選考委員の仁木悦子は「卓抜な着想に感心させられた。アンフェアになりやすい構成なのだが、その点かなり工夫してある。私は受賞作にしてもよいのではないかという意見を出した」と肯定的な評価をしたが、高木彬光は「作者がデータ―をかくせばかくすほど結末の意外性は出て来るにもせよ、読者のほうでは不愉快な読後感をおさえることは出来ない」、中島河太郎は「トリックのおもしろさを過信して暴走してしまった」「この作品は単に読者をペテンにかけるだけにすぎない」と否定的な意見で、受賞作なしとなった。 1972年、「そして死が訪れる」を「模倣の殺意」と改題し『推理』1972年9月号から3回に分けて連載する。1973年、同作が『新人賞殺人事件』と再改題して出版され単行本デビューする。江戸川乱歩賞にはその後も「空白の近景」(前述の短編とは別作品、1974年に『殺された女』と改題して刊行)と「教習所殺人事件」(1980年に『自動車教習所殺人事件』と改題して刊行)で二度最終候補になったが、受賞することはできなかった。
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