民需への転換に失敗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/14 07:00 UTC 版)
「フランク・コンラッド」の記事における「民需への転換に失敗」の解説
戦争の終結が近くなり、会社は軍用無線機の需要が止まる前に、民需転換を模索した。そして有線を引けない場所での通信に着目し、大きな貿易港での港湾運送業務に売り込もうとした。業務連絡用の無線電話システムである。 ニューヨーク港で港湾運送業を行っていたニューヨーク・ニューヘイブン・アンド・ハートフォード鉄道のタグボートとハーレム川岸(ハーレム125丁目)にあったターミナル間で波長500m(周波数600kHz)の無線電話を試験した。しかし小型のタグボートには短いアンテナしか張れず、通信圏はせいぜい1マイル(1.6km)で、採用には至らなかった。この試験は完全に失敗だった。 次に同じ600kHzの無線機セットをニューヨークの玄関口ブルックリンにある国際無線電信会社のブッシュ・ターミナルに設置し、もうひとつは毎晩ボストンへ向かうフォールリバー・ライン社の蒸気船に設置して試したが、このときには大きなアンテナを使えたため最大100マイル(160km)ほど連絡できた。これは船舶局へニュース放送を行うことを目指したものだったが、船会社の賛同を得る事ができず頓挫してしまった。コンラッドらの無線機開発チームは解散となり、メンバーは社内各所へ配置転換となった。
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