母語が複数になる場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 10:45 UTC 版)
母語が複数になる場合、その場合の言語の序列 母語が複数になる場合がある。 一番多いパターンは、両親の母語が異なる場合である。たとえば父親が英語を母語とし、母親がスペイン語を母語としており、(恋愛感情というのは、しばしば互いの言語のことなどとは無関係に起きるので、そういう二人が結婚するということが世の中で起きる)、相方が互いの言語をあまりうまく話せないまま結婚して、二人がアメリカで暮らすということが起きる。その二人に子供(仮にCさん)が生まれて、二人が家庭内で英語とスペイン語、両方をごちゃまぜで使っている状態で少年期(少女期)まで育つと、その子供Cさんにとって「母語は英語とスペイン語の2つ」となる。いわゆるバイリンガル(多言語話者)である。 2つ母語がある場合でも、通常、どちらも同じ水準で話せるわけではない。通常、どちらかが「より得意」で、もう一方は「やや苦手」になる。一番得意な言語を「第一言語(だいいちげんご)」と言う。 上の事例では、幼い段階の子供にとっては、毎日大量に話しかけている母親の言語の影響が大きいので、「第一言語はスペイン語」となる可能性がある。だがそのままアメリカで育ち、アメリカの学校で英語を話す先生や友人と交流し、英語のテレビ番組を毎日観ている状態で育ちつづけると、やがて「第一言語は英語」という状態に移行してゆく。 多くの場合、親が子供の将来設計を熟慮し、子供が将来もその国で暮らす、と決めて、家庭内でも現地の言葉を話すように努力し、学校教育の教授言語の影響も加わって、それが第一言語になるパターンが多い。
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