正規分布と対数正規分布
血清タンパクやクレアチニンなどの血液生化学検査値や刺激に対する反応の閾値などは,測定値 X の対数を取り log X とすると, log X は正規分布に近い分布になる。このようなとき,x は対数正規分布に従うという。
n 個の刺激 X1,X2, … ,Xn が順に加えられるものとする。これらの刺激を独立な確率変数と考える。各刺激 Xi による反応の総量を Zi とする。このとき,刺激 Xi + 1 による反応の増加分 Δ Zi = Zi + 1 - Zi は Xi + 1 とそのときの反応量 Zi のある関数 g ( zi ) に比例するものと仮定してみよう。

したがって,各刺激の和は

となる。各刺激による反応の増加が極めてわずかしかないとすると,近似的に

が成り立つ。ここで,z0 は刺激を加える前から存在していた反応の量,z = zn は最終的な反応の量である。また,n は極めて大きいとしてよいので,中心極限定理の応用によって,( 1 )式の右辺で表されている z の関数は極限において正規分布に従うことがわかる。
例えば,各刺激による反応の増加分はその時点での反応の総量に比例すると仮定する。すなわち,g ( t ) = c t とすると,log t が,正規分布に従うことになる。
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