正斉次性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/29 03:14 UTC 版)
実線型空間に関する特別の場合に、上で述べたような斉次性の代わりに、正斉次性 (positive homogeneity) の概念がしばしば重要な役割を果たす。函数 ƒ: V ∖ {0} → R が正値斉 k -次であるとは f ( α x ) = α k f ( x ) {\displaystyle f(\alpha x)=\alpha ^{k}f(x)} を任意の正数 α > 0 に対して満たすことをいう。ここで k は任意の複素数としてよい。Rn ∖ {0} 上の(零写像でない)正斉 k-次連続函数は、Re{k} > 0 を満たすとき、かつそのときに限り Rn まで連続的に延長できる。 正斉次函数はオイラーの斉次函数定理によって特徴づけられる。函数 ƒ: Rn ∖ {0} → R は連続的微分可能であるものとすると、 ƒ が k-次の正斉次性を持つための必要十分条件は x ⋅ ∇ f ( x ) = k f ( x ) {\displaystyle \mathbf {x} \cdot \nabla f(\mathbf {x} )=kf(\mathbf {x} )} を満たすことである。この結果は、方程式 ƒ(αy) = αkƒ(y) の両辺を α に関して同時に微分し、連鎖律を適用することにより得られる。逆もまた積分により成立が確かめられる。 この帰結として、ƒ: Rn → R が可微分かつ斉 k-次であるものとすると、各一階偏導函数 ∂f/∂xi は次数 k − 1 の斉次性を持つ。このことは、作用素 x · ∇ と偏微分との交換性により、先のオイラーの定理から得られる。
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