正教会における伝承
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/07 07:33 UTC 版)
「クリストフォロス」の記事における「正教会における伝承」の解説
正教会でのクリストフォロスは犬の頭を持った人物として描かれることがある。伝承ではデキウス帝の時代、レプルブスなる巨人が捕虜となった。彼はキレナイカ(アフリカ北部)のベルベル人の部族「マルマリテ族」の出身だったが、同族は勇猛な犬頭人で食人の習慣があることで恐れられていた。やがて彼はキリスト教信仰を受け入れ、自らも教えを説いていたが、アンティオキア総督(あるいは皇帝)の命によって捕らえられ、その信仰のゆえに処刑された。人間離れした彼の処刑は何度試みても失敗し、結果的に殺害されるまで多くの人々を信仰に導いたという。正教会では5月9日がクリストフォロスの記憶日となった。イコンではしばしば犬の頭をもった人物として描かれている。1722年、ロシアの正教会の主流派の聖務会院は犬の頭を持ったクリストフォロスの描写を禁止したが、正教古儀式派においてはその後も現在に至るまで古い伝統を守ったイコンが描かれ続けており、主流派教会による禁令はイコンへの敬意を強めるばかりであった。また、スヴィヤシュスクの伝統に従って描かれる古儀式派のイコンにおいては馬頭の人物として描かれる。
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