正式種目除外
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 05:21 UTC 版)
「オリンピックの野球競技」の記事における「正式種目除外」の解説
夏季オリンピックの肥大化という現状にIOCは危機感を募らせ、2002年にオリンピックプログラム委員会が、近代五種競技とあわせ、環太平洋地域の特定地域以外では盛んに行われていない競技であるという理由で野球・ソフトボールに対して正式種目からの除外を勧告、その動きを受けた日本野球機構はIOCのジャック・ロゲ会長宛てに嘆願書をIOCに送付した。同年、メキシコで行われたIOCの総会では五輪競技としての存続を決める投票を実施したが、当時の28競技で除外された競技はひとつもなかった。 しかし、2005年7月8日にシンガポールで行われたIOCの総会で、現行の28競技を対象にジャック・ロゲ会長と欠席した理事3人を除く116人のIOC理事の投票で再び五輪競技としての存続を決める投票を実施。過半数の賛成票を集められなかった野球とソフトボールが2012年ロンドンオリンピックからの除外が決定した。 その後、2006年2月のIOC総会でソフトボールと共にロンドンオリンピックでの正式種目復帰を求め再投票を実施するよう緊急動議が出されたが、「再投票を実施するか否か」という投票で過半数を獲得できずに、この時点でロンドンオリンピックでの除外が最終決定した。 ただ、日本ではプロとアマで構成されている全日本野球会議が「2016年の野球競技復活」を目標に掲げ、早稲田大学野球部(当時)の斎藤佑樹と東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大を起用したプロモーションビデオを製作して球場で流すなどの活動を行っていた。 しかし、2009年8月13日のIOC理事会では、理事15人の無記名投票の結果、ソフトボールとともに落選が決定した。 2005年のIOCのレポートでは、国際野球連盟は野球が普及していない地域の人々に対して多くのアピールができたはずのなのに努力を怠っていたこと、組織としてこれからの具体的なプランを欠いていたこと、オリンピックの収入に高く依存している(56.9%)こと、過去のオリンピックや世界大会ではテレビ中継やテレビ報道する国が少なく、放映権も売れていないこと、役員に女性がいないこと、ドーピングの問題、MLB選手参加の問題、そして開催地の負担が大きくなりえること、以上のことが指摘されている。
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