カバイロツルタケとは? わかりやすく解説

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カバイロツルタケ

(樺色鶴茸 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/18 01:15 UTC 版)

カバイロツルタケ
Amanita fulva
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : ハラタケ亜門 Agaricomycotina
: ハラタケ綱 Agaricomycetes
亜綱 : ハラタケ亜綱 Agaricomycetidae
: ハラタケ目 Agaricales
: テングタケ科 Amanitaceae
: テングタケ属 Amanita
: カバイロツルタケ A. fulva
学名
Amanita fulva Fries
シノニム
  • Amanita brunneofuliginea f. ochraceomaculata
  • Amanita ochraceomaculata
  • Amanita vaginata var. fulva
  • Amanitopsis fulva
  • Amanitopsis vaginata var. fulva
  • Vaginata fulva
和名
カバイロツルタケ

カバイロツルタケ(樺色鶴茸[1]学名: Amanita fulva)は、ハラタケ目テングタケ科テングタケ属の中型のキノコ菌類)。以前は加熱すれば食べられることになっていたが、近年は毒キノコとして認知されている[2]和名の由来は、このキノコの仲間にツルタケがあり似ているが、ツルタケの傘の色が灰色をしているのに対して、本種の傘は樺色(茶褐色)であることから名付けられている[3][4]。地方により、ササムタシ(秋田県)ともよばれている[1]

特徴

発生域は、平地の市街地の公園から亜高山帯まで広い範囲に分布する[3][1]

菌根性[4]。夏から秋にかけて、雑木林ブナミズナラ林、あるいは針葉樹林に点々と散生する[3][2]ブナ科マツ科などの樹木が生えた地上に発生する[1]。暗い森林の中でも、明るい樺色のため目につきやすい[3]ツルタケ変種ともされる。

外見の特徴は、色が樺色ということ以外、ツルタケとほぼ同じである。傘は径7センチメートル (cm) ほどで、淡褐色から茶褐色(樺色)で中心のほうが色が濃くなり、傘の縁には明瞭な放射状の条線がある[3][1][2]。しばしば、やや傘の色を帯びたツボの破片を傘につける[1]。ヒダは白色[1][2]。柄は長さは最大で15 cmほどになり[3]、ツバはなく、根元には膜質で袋状の淡褐色のツボがある[2]。ツボは地中に入っている[5]。柄の表面は、ときにやや鱗片状となる[1]。柄やツボも、やや傘の色を帯びている[1]

胞子は非アミロイドで、メルツァー試験薬で青紫色に変色しない[1]。アミロイドの胞子を持つものに比べて、毒性は弱いとされている[1]

毒性

ドクツルタケなど猛毒キノコが多いテングダケ科、属では数少ない食用菌として紹介する本もあるが[3]、生食すると中毒を起こし[1]、一般的には利用されることはほとんどない[4]。毒成分は不明とされる[1]。食味はうまみや風味に乏しいといわれている[4]。汁物やバター炒め、すき焼きの具などにするというが[3]、猛毒のタマゴテングタケモドキと外観がよく似ており、キノコ狩りの初心者には推奨されない。

類似種

ツルタケAmanita vaginata)の中で、傘の色が樺色から褐色がかっているものがあり、本種カバイロツルタケと見分けがつきにくい場合がある[1]。両種とも傘の表面には条線があり、柄の根元には袋状のツボがある[3]。カバイロツルタケの場合、柄が樺色から褐色を帯びており、同色を帯びていないものはツルタケと考えてよいといわれる[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 長沢栄史 監修 2009, p. 60.
  2. ^ a b c d e 牛島秀爾 2021, p. 49.
  3. ^ a b c d e f g h i 瀬畑雄三 監修 2006, p. 34.
  4. ^ a b c d 大作晃一 2015, p. 31.
  5. ^ 吹春俊光 2010, p. 123.

参考文献

関連項目





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