横川ダム (福島県)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 横川ダム (福島県)の意味・解説 

横川ダム (福島県)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/29 08:28 UTC 版)

横川ダム (福島県)
左岸所在地 福島県南相馬市原町区馬場字滝78-1
位置
河川 太田川水系太田川
ダム諸元
ダム型式 重力式コンクリートダム
堤高 78.5 m
堤頂長 200 m
堤体積 273,000
流域面積 44.2 km²
湛水面積 64 ha
総貯水容量 13,650,000 m³
有効貯水容量 12,750,000 m³
利用目的 灌漑・工業用水
事業主体 福島県
施工業者 大豊建設
着手年/竣工年 1975年/1984年
出典 [1]
テンプレートを表示

横川ダム(よこかわダム)は、福島県南相馬市原町区馬場にある、二級河川太田川水系太田川に建設されたダムである。

概要

原町区西部の阿武隈高地山中にある、高さ78.5mの重力式コンクリートダムである。福島県によって事業化が行われ、その後当時の原町市、後の市町村合併により現在では南相馬市が管理を行っている。クレスト部には赤いラジアルゲートが2門設置されている。

太田川水系流域の旧原町市南部では年間1000万立方メートルと推定される地下水の過剰組み上げにより、1960年昭和35年)頃から地下水位の低下に伴う地盤沈下が約2500haの地域で見られるようになった。特に国鉄(現在のJR東日本常磐線磐城太田駅周辺の大甕地区や米々沢地区では顕著であり、1969年(昭和44年)度頃から家屋の損壊や水路の通水不能、道路の破壊が見られるようになった。累計沈下量は約2mに達し、1974年昭和49年)には年間2200万立方メートルと揚水量が2倍以上となり、原因は水稲作付面積の拡大と工業用水の需要拡大と考えられたため、地下水に変わる水源を新たに得る必要があった。

このことから1976年(昭和51年)度より福島県による県営地盤沈下対策事業により当ダムの建設が着手され、1984年(昭和59年)に竣工した。工業用水は県営原町工業用水道により、1日あたり34,000立方メートルの工業用水が市内の地下水利用企業と原町火力発電所に、農業用水は最大毎秒2.028立方メートルが市内南部の地盤沈下激甚区域に供給されるようになった。

1974年(昭和49年)12月には原町市公害対策条例の一部が改正され、市街地を中心とした約93平方キロメートルの地域が地下水採取規制区域に指定された。福島県もそれに続き、工業用水法の指定地域内で揚水設備を設置する場合には許可を受けなければならないように定めた。

ダム建設による水源転換以降、観測用井戸の地下水位が急激に上昇し地盤沈下現象も沈静化している [2][3]

2019年10月12日令和元年東日本台風(台風19号)の接近に伴い、緊急放流が行なわれた[4]

福島第一原子力発電所事故関連

その他

  • 当ダムの管理事務所にてダムカードの配布が行われている。

近隣

  • 福島県道49号原町浪江線 - 原町区市街地から西進し当ダムに至る県道であり、滝トンネルを含むダム周辺の区間は水没による付替が行われた路線である。更に太田川上流にそって進むと鉄山ダムに至る。

脚注

[脚注の使い方]

関連項目

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「横川ダム (福島県)」の関連用語

横川ダム (福島県)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



横川ダム (福島県)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの横川ダム (福島県) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS