標高の減少と氷河
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/18 09:46 UTC 版)
1936年のカルステンツ探検隊は、気圧を元にンガ・プルの標高を5030mと推定した。1973年のオーストラリアの地形調査により、1936年の気圧に基づく推定値は本来の値よりも117-125m高かったことが立証され、これにより1936年の推定値は4907±10mとなった。当時、カルステンツ・ピラミッドの方がンガ・プルの付属峰とみなされており、カルステンツ地域の山のプロミネンスの基準となるkey colが氷に覆われていたため、ンガ・プルのプロミネンスは約200mであった。 オーストラリアの1971-73年の科学探検で、ンガ・プルの標高は4862mと測定され、key colの氷が溶けたためプロミネンスは約300mとなった。 2000年までに、カルステンツ地域以外のニューギニア島の氷河は全て消滅した。カルステンツ地区の中でも、まだ氷に覆われているンガ・プルよりも、氷が溶けたスマントリの方が数メートル標高が高い。そのため、ンガ・プルのプロミネンスは100m未満となり、スマントリの付属峰となっている(スマントリのプロミネンスは350m)。 氷河の融解により、カルステンツ地域の山のプロミネンスの基準となるkey colの標高が低くなり、また、ニューギニア島のかつて山頂が氷で覆われていたマンダラ山、カルステンツ東峰(英語版)、ンガ・ピリムジット(英語版)などの標高が減少した可能性がある。科学者たちは氷河の融解を監視しており、2020年から2030年ごろまでにニューギニア島の氷河が全て消滅すると推定している。
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