標数 2 の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/02 05:49 UTC 版)
標数が 2 の倍は、エンリケス曲面の新しい族が存在し、準エンリケス曲面(quasi Enriques surfaces)、あるいは、非古典的エンリケス曲面(non-classical Enriques surfaces)、あるいは、(超)特異エンリケス曲面((super)singular Enriques surfaces)と呼ばれることもある。標数 2 の場合のエンリケス曲面の定義は変形されていて、極小曲面の標準クラス K が 0 に数値的に同値で、第二ベッチ数が 10 であると定義される。(2 以外の標数の定義は、この定義は通常の定義に同値である。)エンリケス曲面には 3つの族があることになる。 古典的: dim(H1(O)) = 0、これは 2K = 0 であるが K は 0 でなく、Picτ は Z/2Z であることを意味する。そのような曲面は群スキーム μ2 による被約な特異ゴレンシュタイン曲面(Gorenstein surface)の商である。 特異: dim(H1(O)) = 1 で、フロベニウス自己準同型が非自明に作用している。このことは K = 0 であり、Picτ は μ2 であることを意味する。そのような曲面は、群スキーム Z/2Z によるK3曲面の商である。 超特異: dim(H1(O)) = 1 でフロベニウス自己準同型が自明に作用している。これは、K = 0 であり、Picτ は α2 であることを意味する。そのような曲面は、群スキーム α2 による被約な特異ゴレンシュタイン曲面の商である。 全てのエンリケス曲面は楕円的か準楕円的である。
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