桂ざこば_(初代)とは? わかりやすく解説

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桂ざこば (初代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/29 15:17 UTC 版)

初代 かつら ざこば
本名 小倉 幸次郎
生年月日 1866年4月25日
没年月日 (1938-09-19) 1938年9月19日(72歳没)
出身地 日本
師匠 三遊亭柳生
桂三之助
3代目桂文三
弟子 桂助六
桂せんば
江戸家猫三
名跡 柳子
洗湯亭さん助
初代桂三輔
初代桂ざこば
活動期間 1897年 - 1931年
活動内容 新作落語
所属 桂派
柳派
互楽派

初代 桂 ざこば(かつら ざこば、1866年4月25日[要出典] - 1938年9月19日[1][注釈 1])は、明治から昭和にかけての上方落語落語家。本名: 小倉 幸次郎(おぐら こうじろう)[1][注釈 2]。芸歴の後半には伝統的なスタイルから大きく逸脱した演出を取り入れた。

来歴・人物

最初は3代目笑福亭松鶴の門人で「光蝶」を名乗るも、まもなく「園馬(または圓馬)」に名を改めて旅回りをした[1][2]1897年[要出典]、三遊亭柳生門下で柳吉を名乗る[1]。。次に桂三之助(2代目桂文三門人)門下で「洗湯亭さん助」となり[1]広島幇間同様の暮らしをする[要出典]1905年4月[要出典]3代目桂文三門下で「三輔」を名乗り、桂派に所属した[1][注釈 3]しかし、文三が桂派を離脱すると、三輔もともに離脱。上京し柳派に加入。1910年5月、帰阪して互楽派に加入。[要出典]1912年に突然落語を廃業し、大阪を離れて古物商を営むが、結局、事業に失敗して再び帰阪した[1]。だがすでに1917年に弟子の助六が2代目三輔を襲名していたため、1920年 2月[要出典]初代ざこばを名乗り復帰した[1]。4代目桂文三が亡くなってからは5代目文三を勝手に名乗っていた時期もある[要出典]吉本興業の寄席に出演したが1931年ごろに引退した[1]

三輔時代は桂派の中で異色の爆笑派として知られ、噺家の間でも人望ある人物だった[1]。ざこば襲名の後は、新作を手がけ、「ゼネレイト」「インプレッション」「ヴァージン」などの英語を噺に取り入れたり、あるいは立ったまま落語を演じたりと、新しい試みを続けた[1]。寄席にも電気自動車で通う先進的な気風に富んだ人物だったが、往時の人気は取り戻せなかった[1]。『古今東西落語家事典』は「大正時代の観客には新しすぎたらしく」とその理由を推測している[1]

得意ネタは『宿替え』『大和橋』『三十石』『口入れ屋』など[1]。『大和橋』や新作落語SPレコードに録音されている[1]

引退後は近所の妙見堂に毎日詣でる生活だったが、自殺を遂げたとされる[1]享年72[1]。法名は華辨院超凡日行信士[1]

墓は谷町9丁目の海宝寺にあるが、『古今東西落語家事典』によると4つの三角柱を結合した墓石で正面に「桂ざこばの墓」、また3人の妻(ハナ・シズ・ナミ)の名が刻まれているという[1]

2代目ざこばは、襲名に際して初代の墓参りを行っている[3]

弟子には桂助六、桂せんば、桂三玉[注釈 4]等がいる[1]

脚注

注釈

  1. ^ 『古今東西落語家事典』は生誕を「慶応3年(月日未詳)」とする[1]
  2. ^ 『上方はなし』には小倉省三とあるが、過去帳や明治期の雑誌では幸次郎の名前である[1]
  3. ^ 『古今東西落語家事典』は3代目文三門下に移ったのを「明治三十年ごろ」(1897年ごろ)とする[1]
  4. ^ 後に江戸家猫八(岡田信吉の初代猫八と別系統の上方にいた人物)門下で江戸家猫三を名乗り、色物の足芸で売った[4]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 古今東西落語家事典 1989, p. 302, 上方篇 五、吉本派の興隆と漫才の台頭(初代桂ざこばの項).
  2. ^ 落語系圖 1929, p. 216.
  3. ^ 3代目桂米朝『米朝よもやま噺』朝日新聞社、2007年、p.141
  4. ^ 古今東西落語家事典 1989, p. 402, 索引小事典―上方.

参考文献

関連項目




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