核の大きさと活動性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/04 21:04 UTC 版)
「百武彗星 (C/1996 B2)」の記事における「核の大きさと活動性」の解説
アレシボ天文台でのレーダー観測によって、百武彗星の核は直径約2kmで、核から数m/sの速度で放出された小石サイズの粒子の「雨あられ」がその周囲を取り巻いていることが分かった。この核の直径の測定値は赤外線放射や電波の観測から間接的に見積もられた値とよく一致している (Sarmecanic, Fomenkova, Jones & Lavezzi 1997; Lisse, Fernández, Kundu et al. 1999)。 このように核のサイズが小さい(ハレー彗星の核は直径約15km、ヘール・ボップ彗星は約40km)ことから、百武彗星は増光時にかなり激しい活動が起きたことが示唆されている。多くの彗星ではガス放出は核表面の狭い範囲でしか起こらないが、百武彗星では表面の大半または全体で放出活動が起こったと推定される。ダストの放出率は3月初めの時点で約 2 × 103 kg/s、近日点通過の頃には 3 × 104 kg/s まで増加したと推定されている。また同じ期間にダストの放出速度も 50m/s から 500m/s に増加したと見られる (Fulle, Mikuz & Bosio 1997; Jewitt & Matthews 1997)。 また、核から放出された物質を観測すると、核の自転周期を見積もることができる。百武彗星が地球を通過したとき、彗星物質の大きな塊が太陽の方向に向かって6.23時間ごとに放出される様子が観測された。さらに別の小規模な放出も同じ周期で観測されたことから、この周期が核の自転周期であることが確認された (Schleicher, Millis, Osip & Lederer 1998)。
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