柔道一班並二其ノ教育上ノ価値
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「講道館」の記事における「柔道一班並二其ノ教育上ノ価値」の解説
その5年後にあたる明治22年、当時29歳であった嘉納治五郎は大日本教育会の依頼により、文部大臣の榎本武揚や在日イタリア公使らの出席を仰ぎ、「柔道一班並ニ其ノ教育上ノ価値」と題して講演を行った。 講演「柔道一班並ニ其教育上ノ価値」においては、明治17年の体操伝習所答申に沿う形で構成されており、害若しくは不便とする方として挙げられた条件を一つ一つクリアーしていく形で構成されている。 そこでは講道館柔道を従来の(古流)柔術から更に進めた柔道勝負法(柔道護身法とも言う)、柔道体育法(柔道練体法、柔道鍛錬法とも言う)、柔道修心法の分類により、修行目的、効用、修行方法を分けて考えた上で構成された。講道館柔道では「体育、勝負(武術の真剣勝負の方法)、修心の三つの目的を持っておりまして、これを修行致しますれば体育も出来勝負の方法の練習も出来、一種の智育徳育も出来る都合になっております。」と述べて、柔道の目的として体育と勝負と修心の三つを挙げ智徳体を学べる、と説いた。 講道館柔道の独自性・理論的大系・教育界における影響力は、この嘉納の講演「柔道一班並ニ其教育上ノ価値」によって公に知るところとなり、武術改め武道の教育の場における正規採用に大きな影響を与えていくことになる。
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